発疹には、様々な原因があります。
感染性のものやアレルギー性のものなど、見極めることが大切です。
また、皮膚に原因があるのか、体の中に原因があるのかも含めて、発疹が出ている原因を突き止めることが大事です。
ただの汗疹(あせも)の時もあれば、入院が必要な場合もあるため、全身の観察はとても重要です。
発疹はすぐに消えてしまうこともあるので、写真を撮っておくと診察の時に役に立ちますよ。

【発疹が出ている時の観察ポイント】
●発疹がどこに出ているか
●いつから発疹が出ているか
●発疹はずっと出ているか
●発疹は出たり消えたりするか
●色や症状はどんな感じか
●熱や他の症状はあるか
●痒みがあるか
<POINT>
発疹は全身に出ているのか、局所的に出ているのかという事はしっかり把握し、どの様な発疹なのかという事を診察の際に分かりやすく伝える為に、写真を撮っておくと良いですよ!
【受診が必要な時について】

どのような症状の時に受診が必要なのか、見極めるのは少し難しいと感じる方も多いのではないでしょうか?
ここでは、どのような症状の時に受診すべきなのかということを記載していますので、是非ご参考になさってください。
<他に症状がある>
発熱など他の症状がある時は、感染性で人にうつす可能性や入院が必要な病気もあるため、受診した上で原因をご確認ください。
<痒み(かゆみ)がある>
蕁麻疹(じんましん)などの痒みを伴うものは、眠れず本人もとても辛いです。しかし掻くことで、ひどくなる場合もありますので、受診し痒み止めを処方してもらうことも良いかと思います。
<経過が長い>
発疹が出たり消えたり何度も繰り返す場合や、いつまでも治らない場合は、受診して原因を確認しましょう。
<その他>
◆入院が必要な病気が隠れている可能性!
川崎病など入院治療が必要な病気もあるので、他の症状を伴う場合は必ず受診ください。
◆生活制限がある病気の可能性!
発疹が暗紫色で内出血のような状態(紫斑)だと、IgA血管炎という病気の場合もあります。その場合は安静や入院が必要となりますので必ず受診ください。
◆急に広がる発疹は要注意!
熱はなく、食事の後に強い痒みが出て居る場合は、蕁麻疹の可能性があります。アレルギー性の場合は、アナフィラキシーが心配なので「呼吸が苦しそう、急に咳をする、腹痛、嘔吐」などの症状があれば、すぐに救急車を呼んでください。
【発疹のお家ケアのポイント】

痒みがある発疹のケアで大事なことは、少しでも痒みを和らげることです!
少しでも痒みを和らげるために、以下のようなケアを行ってください。
①冷やす
冷やすと痒みが抑えられます。部屋を涼しくしたり、痒い所に保冷剤を当てて冷やしたりすると良いです。
②爪を短く切る
かきすぎると傷になり、そこから菌が入ることで伝染性膿痂疹(とびひ)になる可能性もありますので、傷を作らないためにも爪は短く切っておきましょう。
③お風呂は短めかシャワーにする
体が温まり血行が良くなると痒みが強くなりやすいです。お風呂に入った後に痒くなることもありますので、湯船に浸かる時間は短めにするか、シャワーにした方が良いです。
④清潔に保ち保湿ケアを行う
伝染性膿痂疹(とびひ)を起こさないために、汗をかいたら洗い流し肌の表面は清潔にしておきましょう。肌のバリア機能を保つためにも保湿ケアをしっかりと行い、入浴後は必ず保湿ケアをしましょう。
【湿疹と蕁麻疹の違い】

■湿疹と蕁麻疹の症状の違い
<湿疹(しっしん:皮膚炎)>
痒み、赤み、ぶつぶつ、水ぶくれなど、症状が徐々に進行し改善までに時間がかかります。治った後も色素沈着を残すことが多いです。
<蕁麻疹(じんましん)>
赤くぷっくりした腫れが急に現れて痒くなり、数時間以内に消えたり、また出たりします。症状が出る部位が移ったり、地図上に広がる場合もあります。1~2週間で治る急性蕁麻疹と、1カ月以上続く慢性蕁麻疹があります。
■原因と治療法の違い
<湿疹(しっしん:皮膚炎)>
表皮に炎症が起こることが原因です。皮膚表面から投与する外用薬が有効です。
<蕁麻疹(じんましん)>
表皮の下にある、真皮の血管から水分が漏出することで起こります。真皮内に病変があるので外用薬が効きにくく、内服治療を行います。
【人にうつす発疹】
<接触感染>
●水ぼうそう
●水いぼ
●とびひ
<空気感染>
●麻疹
●水ぼうそう
※感染力が強いため、可能性がある場合は必ず電話をしてから受診ください。
<飛沫感染、糞口感染>
●りんご病
●手足口病
●ヘルパンギーナー
●溶連菌感染症
【人にうつさない発疹】
●突発性発疹
●川崎病
●蕁麻疹
●あせも
【こどもに多い発疹について】

<乳児湿疹>
●新生児期から乳児期に見られる湿疹です。
●新生児ニキビや脂漏性湿疹が主ですが、アトピー性皮膚炎との区別が難しい。
●治療としては、まずは石鹸で優しく洗いましょう。
●ひどい時は、ステロイド剤薬や保湿剤を塗りましょう。
●湿疹は一度良くなってもぶり返すことが多いですが、生後3~4カ月までは自然に良くなっていきます。
<アトピー性皮膚炎>
●アレルギー性の湿疹です。
●2カ月以上持続する痒みのある慢性的な湿疹です。
●ダニ、ほこり、食物が原因になりますが、食物による影響は乳児期がほとんどで、幼児以降は食物による影響はほとんどありません。
●乳児期は顔や首、腕の外側、足の表側などにできやすく、年齢が高くなるにつれ肘の内側やひざの内側にできます。
●治療はステロイド薬を塗ります。また、かくとそれが刺激となり悪化するので、湿疹がひどい時は痒み止めの内服も行います。
<水いぼ>
●伝染性軟属種ウイルスによる感染で、湿疹と接触することで感染します。
●表面はなめらかで盛り上がっています。
●発症後6ヵ月~3年程度で自然に取れるため、他人と接触する機会が少なければ何もせず様子をみます。
●プール教室に通っているなど、他人に接触する機会が多ければ摘除したり薬を塗ります。
<とびひ>
●皮膚にいる細菌の感染で、伝染性膿痂疹とも言います。
●接触したり、虫刺されや湿疹をひっかいて感染した場合にできることがあります。
●火事のとび火のように急速に広まっていくことからこの名前がついたと言われています。
●赤い湿疹→水泡形成→膿がたまる→破れる→かさぶたができます。
●治療としては、抗菌薬を飲んだり薬を塗ります。
<突発性発疹>
●高い熱が数日出て下がったころに発疹が出すのが特徴です。
●多くの子供が6ヵ月~3歳くらいの間にかかることが多いです。
●発疹そのものに痒みや痛みはありませんが、機嫌が悪くなる子が多い。
●ウイルスが原因なので特効薬はありません。
<手足口病>
●発熱+手、足、口を中心に発疹ができるのが特徴です。
●風邪と同じように、接触感染や飛沫感染など経口感染でうつります。
●アルコール消毒が効きにくいので、手洗いうがいでしっかり感染対策を行う必要があります。
●口の中の痛みで、飲めなかったり食べられなくなることもあります。
<あせも>
●汗の出口に汗が溜まってしまい、皮膚の表面にぶつぶつが出る皮膚トラブルです。
●予防するためには、汗を吸いやすい肌着にしたり、こまめに着替えたりすることが大切です
●保湿もしっかり行うことが必要です。
【まとめ】
今回は『こどもの発疹の原因や対処法』について、お話しさせて頂きました。
発疹には、感染性やアレルギー性など種類も様々です。
原因や症状に関しては、しっかり観察する必要がありますが、受診された際に先生にしっかり伝える為に、写真に撮っておくと便利ですよ。
こどもの発疹の原因や対処法に関して、今回の記事を是非ご参考頂ければ幸いです。
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