「けいれんが起きた時」の対処法について

「子どもの痙攣(けいれん)」を目の当たりにすると、頭では分かっていても焦って慌ててしまいます。
しかし、今は10%の子どもが経験すると言われるほど、どの子も「痙攣(けいれん)」を起こす可能性があります。
「子どもの痙攣(けいれん)」の対処方法で一番大事なことは、居合わせた人が落ち着くことです。
「子どもの痙攣(けいれん)」について知っておくと、少しでも落ち着いて対処できると思います。
以下に詳しく説明しておりますので、ぜひご参考にしてください。

【子どものけいれんとは】

子どもの痙攣(けいれん)とは、何かしらの原因により脳神経が異常に興奮することで、本人の意思とは関係なく一定の時間、体がびくびくしたり、突っ張ったりする症状のことを指します。
痙攣(けいれん)を発症すると、呼びかけても反応がない、白目をむく、唇の色が青ざめる、口から泡を吹く、嘔吐を伴うなどの症状が出ることもあります。

【子どものけいれんの原因】

●熱性けいれん(一番多い原因です)
●胃腸炎に伴うけいれん
●髄膜炎
●脳炎・脳症
●てんかん
●憤怒けいれん(乳幼児が激しく泣いた後に起こる)
●頭部外傷
●熱中症

【熱性けいれんとは】

「子どもの熱性けいれん」には、以下のような特徴や症状があります!

【熱性けいれんの特徴】

●子どもの痙攣(けいれん)の原因に多い(10人に1人がなるとも言われている)
●6カ月から5歳に多い
●発熱(主に38度以上の高熱)を伴う
●熱が上がる時に起こりやすい
●呼びかけても反応がない(意識がない)
●多くは5分以内に自然に止まる
●多くは後遺症を残すことはない
※15分以上続いたり、24時間以内に繰り返す、痙攣(けいれん)の動きが左右異なるなどの場合は精査が必要です。

【熱性けいれんの症状】

★突然意識を失い一点を見つめたり白目をむく
★歯を食いしばって息を止める
★一時的に唇が紫になる
★顔色が真っ青になったりする
★手足や体を突っ張ってピクピク、ガクンガクンと震わせる
★時には目やまぶたのぴくつきだけ起きることもある
※これらの動作は5分未満で治まっても意識が戻るか、そのまま眠ってしまうことが多い。

【けいれんが起こったら】

【慌てない】
・痙攣(けいれん)は数分で止まることが多いので落ち着いて対処する
・様子をよく観察する

【安全の確保】
・体が物にぶつからばいように平らな場所に寝かせる
・服をゆるめ、首回りやお腹を楽にする
・顔を横に向ける(吐物が喉に詰まらないようにする)

やってはいけないこと】

【口の中に物や指を入れない】
●指を噛み切ったり窒息する恐れがあるため
【ゆすったり叩いたりしない】
●痙攣(けいれん)中は刺激を与えない
【けいれん中や直後に飲み物を与えない】
●誤飲する可能性があるため

【観察のポイント】

<持続時間>
何分間続いているか確認し、5分以上続いている場合は救急車を呼ぶ。

<動き・様子>
手足の動き、左右対称化、顔色、唇の色、意識の有無を確認する。

<他の症状>
発熱、嘔吐、咳、ゼイゼイするなどの症状の確認をする。

<けいれん後の様子>
意識や麻痺の有無の確認や、吐き気や頭痛の有無の確認をする。
※痙攣(けいれん)中、動画をスマホやiPadで撮影しておくと、救急隊や医師に説明しやすいのでお勧めしております。
※撮影する際は全身が写るように行うと良いです。


【受診の目安】

【救急車を呼ぶ】
□けいれんが5分以上続く
□けいれんが止まった後も意識が戻らない
□けいれんを短時間で何度も繰り返す
□左右でけいれんの強さが違う
□けいれんの前に頭を強くぶつけている

【病院受診
□上記以外のけいれん
※症状がすぐに治まり、意識が回復した場合も病院へ受診してください。

【けいれんと間違いやすい症状】

【悪寒】
体が急に熱を上げようとする時に筋肉を細かく収縮させて熱をつくる。
けいれんと同じように全身が震えるが、意識はあり受け答えできる。
※悪寒がある時は服や布団で暖かくする。

【熱せん妄】
高熱がある時にボーっとしたり、うわごとを言ったり、急に走り出したりする。
名前を呼んだり、肩をたたくと反応する。

【けいれんのまとめ】

今回は子どもに「痙攣(けいれん)が起きた時の対処法について」お伝えさせて頂きました。
子どもの痙攣(けいれん)の原因の多くは「熱性けいれん」です。
熱性けいれんは、38度以上の発熱を伴うもので、比較的多くの子どもに見られます。

多くは5分以内で止まり、後遺症を残すことはほとんどありません。
けいれんが起きたら、まずは落ち着くことが一番大切です。
その上で安全な場所に移動し、衣服をゆるめ、体を横向きにしましょう。

時間を計り、どの様な痙攣を起こしているか観察しましょう(動画を取っておくと分かりやすいです)。
5分以上続いたり意識が戻らない、何回も繰り返すなどの場合は救急車を呼びましょう。

【病児保育室 ひなたぼっこ】

●住所:〒675-0151 兵庫県加古郡播磨町野添1655-1 2階
●アクセス:JR土山駅より徒歩3分
●駐車場:完備
●電話番号:078-939-6022
●WEB予約:こちらからご予約下さい