子どもが腹痛を訴えた時の対処法

こんにちは。
加古郡播磨町にある病児保育室「ひなたぼっこ」です。
今回は「子どもが腹痛を訴えた時の対処法」についてご紹介します。

腹痛を伴う病気はたくさんあります。
特に多いのは、便秘やウイルス性胃腸炎ですが、腸重積や虫垂炎など緊急性の高い病気を見分けるために、子どもの様子を観察することが大切です。
ぜひ、この記事を参考にして頂ければ幸いです。

【腹痛時の観察ポイント】

<いつから痛いか>
①ずっと痛い
②時々痛い
③波がある

<どのくらい痛いか>
①うずくまるくらい痛い
②痛くて眠れないくらい
③冷汗が出る
④聞くと「痛い」と答える

<その他>
⑤うんちの色、血便はないか
⑥うんちの出方
⑦嘔吐や下痢があるか
⑧他の症状はないか
⑨発疹や鼠径部に腫れがあるか

【うんちチェック】

子どもが「お腹が痛い」と言ったら、まず大事なのが「うんちチェック」です。

<うんちチェック>
●毎日するっと出るか
●出るまでに時間がかかる
●うんちを出す時、痛がったり、肛門が切れるか
●コロコロしたうんちが出るか

<うんちの色>
●黄緑色:正常なうんちの色です。
●緑:赤ちゃんでは健康でもよくある。腸内バランスが崩れていることもあります。
●真っ赤な赤色:直腸や肛門付近からの出血の可能性もある。踏ん張った刺激で粘膜が傷ついた可能性もある。
●白色:感染症や胆道などの閉塞が起きている可能性もある。うんちの黄色を作る胆汁色素がない状態です。
●黒い赤:胃や腸初めのところで出血した可能性もある。

【すぐに受診が必要な場合】

■血便がでた
便秘でも肛門が切れて血便が出ることもある。緊急性が高い病気もあるので、量が多く繰り返す場合は写真に撮ってご受診ください。

■ぐったりしている、顔色が悪い
嘔吐や血便がなくても、重要な病気がある場合もあります。腹痛以外の症状がなくても、様子が変だと思ったらご受診ください。

■突然の腹痛で間欠的に激しく泣く
「急に泣く」「ぐったり」を繰り返す時は要注意です!腸重積の可能性もございます。

■何度も吐いている
腹痛を伴う胃腸炎は、嘔吐から始まることもあります。繰り返し吐く時は、脱水なども心配なのでご受診ください。

■発疹や腫れがある
腹痛や関節痛などがあって、足やおしりに赤い発疹(紫斑)が出て居る場合は、IgA血管炎という病気の可能性があります。

■怪我や事故をしたあと
遊んでいる時などに腹部をぶつけて体の中に損傷が起きて、腹痛が起こっている場合もあります。

【POINT】
「上記に当てはまる症状がない」「食欲はある」「うんち、おしっこはいつも通り出ている」「あまり痛そうではない」という場合は、様子を見てから受診するようにしましょう!

【腹痛を和らげる方法】

★方法①:抱っこして体の緊張をとる
体を丸くすることで、腹筋が緩みリラックスすることができます。

★方法②:お腹のマッサージ
おへそを中心に「の」の字でなでてあげる。腸の進行方向に合わせると良いです。

★方法③:トイレに誘う
腸の蠕動運動による刺激が痛みとなっていることも多いです。

【緊急性が高い腹痛を伴う病気】

<腸重積>
●腸の一部分が腸の中に入り込んでしまう病気です。
●生後6か月~2歳までの子が多いです。
●入り込んだ腸をできるだけ早く元に戻す必要があるので、早く気付き受診することが大切です。
●腸重積のサインは、間欠的に激しく泣く、腹痛、機嫌が悪い、嘔吐、粘血便(いちごジャムのような)等。

<虫垂炎>
●台帳の始まりの盲腸という突起物に付着している部位を虫垂といい、その部分に細菌が繁殖し炎症を起こす病気です。
●進行すると、虫垂が破裂、穿孔し腹膜炎となるため、すぐに手術や治療が必要です。
●最初胃のあたりに痛みがあり、時間が経つに連れて痛い位置が右下の移動します。
●発熱、嘔吐などの症状があります。

<腸閉塞>
●何らかの原因によって腸管の通過が悪くなっている状態です。
●腹痛・吐き気・嘔吐・お腹の張り・ガスや便が出ないなどの症状があります。
●下血や脱水を伴い、ぐったりしてしまうこともあります。

<鼠径(そけい)ヘルニア>
●お腹の壁の弱い部分から腸が飛び出した状態です。
●足の付け根の部分に膨らみが見られます。
●押さえても痛みがないものは緊急性はありませんが、腸が飛び出たままでその部分の血流が悪くなると緊急手術が必要となります。

<精巣捻転症>
●新生児と12~18歳に多く、男子だけの病気となります。
●陰嚢の中にある精巣がねじれて血流が途絶えてしまい、そのままにしておくと精巣が壊死します。
●ねじれてから8時間以内の手術が勧められているため、陰嚢の腫れがみられたら、すぐにご受診ください。

【便秘・下痢について】

便秘も下痢もどちらも、便を肛門に送る腸の運動が普通に行えない状態です。便秘は便が停滞し腸の運動が鈍くなり、下痢は腸の運動が速いため水分吸収ができないまま通過している状態です。

<便秘対策>
●湯冷まし
①血行を高めて新陳代謝がよくなります。起きた時や食事中に飲むと腸の働きを促してくれます。
●おなかマッサージ
①手で1分間以上お腹を温める
➁腸の流れに沿っておへそを中心に「の」の字にマッサージする
※力加減は豆腐がつぶれない程度となります。嘔吐の危険性があるので、食後1時間以上空けてから行ってください。
●綿棒浣腸
①食後30分以内に行うと効果的
➁綿棒の先にベビーオイルをたっぷり付ける
③赤ちゃんの肛門から、綿棒の頭の部分を全部優しく挿入する
④肛門から入れた綿棒の先をゆっくりクルクル回して刺激する
●自転車体操
①足首がお腹に近づくように、左右交互に「1,2…」と自転車こぎをする
●飛行機体操
①うつぶせにする
➁お腹のわきを保護者の両手で支えて右~左~右~左と揺らす
※子どもの体重が圧力となり、腸を刺激する。

●マルツエキス
①麦芽糖の緩やかな発酵作用により、腸の運動を活発にし栄養を与えながら自然な排便を促します。
※薬局で入手できる。
●便秘に効く食べ物
①消化しやすいごはんや食物繊維を含んだ野菜(うんちを押し出す働き)
②果物や野菜などミネラルビタミン・ミネラルを多く含んだもの(うんち自体を柔らかくする)

<下痢対策>
●食べ物
・柔らかく吸収のよいもの(おかゆ、じゃがいも、バナナ、ブドウ、リンゴなど)を与える
・水分・ミネラルを補給する
・柑橘類は便を柔らかくするので控える
・アイスや牛乳などの乳製品は消化に負担になるので控える
●おしりを洗う
・便(アルカリ性)が皮膚(弱酸性)に付くと、皮膚の皮脂を取り除き、皮膚が持つバリア機能を低下させます。
※おむつ替えの時、霧吹きで水をかけて洗い流したりシャワーで洗うなどする。

【まとめ】

今回は『子どもが腹痛を訴えた時の対処法』について、お話しさせて頂きました。
腹痛を伴う病気はたくさんあり、重積や虫垂炎など緊急性の高い病気を見分けるために、子どもの様子を観察することが大切です!
今回の記事を是非ご参考頂ければ幸いです。

加古郡播磨町にある「病児保育室 ひなたぼっこ」では、子どもの急な体調不良や発熱によって、保育園に預ける事ができず仕事も休むこともできずお困りの方が、体調不良のお子さまを安心して預けていただける病児保育施設です。
当施設では、播磨町・稲美町だけでなく、加古川・明石・神戸にお住いの方にも多くご利用頂いております。
是非、お気軽にご利用ください。


【病児保育室 ひなたぼっこ】

●住所:〒675-0151 兵庫県加古郡播磨町野添1655-1 2階
●アクセス:JR土山駅より徒歩3分
●駐車場:完備
●電話番号:078-939-6022