【頭をぶつけた】
子どもはなぜ頭をよく打つのでしょう?
それは子どもは重心が高く、体のバランスを取ることが上手でないためです。
そして、子どもは体の大きさに比べて頭が大きい、いわゆる「頭でっかち」なので、転倒や転落で頭を打つことが多いのです。
頭をぶつけた時は「どこからどこに落ちたのか」直後の様子と、今の様子をしっかり観察することが大切です。
子どもが頭をぶつけると、焦ってしまうお気持ちも分かりますが、まずは子どもを抱きしめて子どもと共に自分も落ち着かせ、他にぶつけたところがないか全身を観察しましょう。
【ぶつけた直後の対処方法】
<ぶつけた直後の観察ポイント>
■傷がないかを確認
・出血がある場合:傷口を清潔なタオルなどで抑えて止血する
・たんこぶの場合:患部を冷やす
■すぐに泣いたかを確認
・反応がなかったりボーっとしていたら救急車を呼ぶ
■手足の動きを確認
・手足の動きに左右差がある場合や痙攣(けいれん)している場合は救急車を呼ぶ
■ぶつけた時の状況を確認
・どこからどのように落ちたか、落ちた高さはどれくらいかなどは受診した際に説明できるように確認しておく。
<すぐに救急車を呼ぶ場合>
●ぶつけた直後ぐったりして泣かない
●意識がない
●呼びかけてもボーっとしている
●意識はあるが手足の左右の動きが違う(痛いから動かせない場合以外)
●出血が止まらない
●痙攣(けいれん)している
<すぐに受診する場合>
●繰り返し吐く
●機嫌が異様に悪い
●いつもより良く眠る、目が覚めない(特に普段寝る時間帯でない時)
●つじつまが合わないことを言う
●物が見えずらい(視力障害)
●物が二重に見える(複視)
●手足がしびれる
●真っすぐに歩けないなど不安定な歩行
●頭痛がだんだんひどくなる
※受診した際に聞いておくこと※
★再受診する場合の目安は?
★すぐに受診する場合の目安は?
★お風呂は入っても良いか?
★日常生活で気を付けることは?
<おうちケアのポイント>
●頭をぶつけた後2時間は子どもから離れずに変化がないか観察する。
●ぶつけた直後は症状が出ないこともあるので、24時間は子どもの様子が変わらないか注意しておく。
●頭を打った日は長時間の外出はさけ自宅でゆっくり過ごす。
【出血した際の対処方法】
子どもはよくこけて出血します。その時は慌てず対処しましょう。
以前は患部を消毒し、傷を乾かす処置が一般的でしたが、現在は汚れをしっかり洗浄した後は、消毒液を使わないことも多いです!
また、傷はなるべく乾かさず、湿ったままの方が治りが良いとされています。
傷の乾燥を防ぐため、創傷被覆材も多数市販されていますので、家には常備して置くと良いでしょう。
<間違った対処法>
✖:患部を消毒して乾かす。
〇:汚れをしっかり洗浄し傷は湿ったままにする。
✖:傷口より心臓に近いところを圧迫する。
〇:出血しているところを直接圧迫する。
△:消毒液を使う(傷ついた組織にダメージを与え治りが遅くなることがある)
<すぐに救急車を呼ぶ場合>
●出血が大量で止まらない
●痙攣(けいれん)している
●意識がない
<すぐに受診する場合>
●出血量は多くないが中々止まらない
●ガラスなどが刺さって取り除けない
●指の曲げ伸ばしができない
●深い傷や大きな傷
●汚染が強い傷
●動物に咬まれた傷
<受診しても良い場合>
●傷が中々治らずじゅくじゅくしている
<おうちケアのポイント>
●水道などの流水で傷を十分に洗う(残った砂や泥をできるだけ取り除く)
●出血が止まらない場合は清潔なガーゼなどで傷を直接押す(圧迫止血法)
●傷が隠れる大きさの創傷被覆材・絆創膏で覆う(キズパワーパッド、カットバンモイストなど)
<ペットにも注意>
ペットを飼っているご家庭では、咬まれる事故も起こりえるので注意しましょう。
感染症を起こしやすく、抗菌薬の処置が必要な場合もあるので、咬まれた場合は必ず受診をしましょう。
【やけどした際の対処方法】
やけどは最初の対応が大事です。
大切なことは、やけどの範囲(広さ)と深さを確認することです。
子どもは、小さければ小さいほど皮膚が薄いため、やけどの深さは成人に比べて深くなりやすいので注意しましょう。
<観察ポイント>
□顔色はどうかを確認
□意識はあるか確認
□呼吸はしているか確認
□やけどした場所や範囲を確認
□深さはどのくらいか確認
<すぐに救急車を呼ぶ場合>
●顔面や喉の火傷
●範囲が広い(全身の10%以上)
●深い(Ⅲ度・皮膚の色が白く変化)
●全身の状態が悪い(意識がない、呼吸が苦しそう、顔色が悪いなど)
<すぐに受診する場合>
●手や足の指のやけど
●性器のやけど
●痛みが強い
●やけどの範囲が手のひら以上
●水疱(水ぶくれ)ができているやけど
※水疱はつぶさない事が大切です。
※受診先は「皮膚科」か「形成外科」となります。
<応急処置のポイント>
■流水で最低20分以上冷やす
しっかり冷やすことでその後の経過が変わります。水圧は強くしすぎない。
■服の上から直接流水をかける
服の上からやけどした場合は、服を脱がせると皮膚がはがせる可能性があります。
■耳や目などは冷たいタオルで冷やす
流水が当てられない耳や目などは、氷や保冷剤を包んだタオルで冷やしてください。
■水ぶくれはやぶらない
水ぶくれは破れないようにガーゼなどで保護して受診する。
※低体温に注意が必要です。
■意識の変化を確認する
乳児などの小さい子どもは、身体を冷やすことで低体温になりやすく、意識障害など起こす可能性もあるため、冷やしている時は意識の変化に注意が必要です。
★やけどをした際は直ぐに冷やす事がとても重要です!
<やけどの範囲や深さの目安>
【範囲の目安】(乳幼児)
★胸やおなかで20%
★腕、脚各一本はそれぞれ体の10%
※10%以上のやけどはとても危険な状態です!
【深さの目安】
●Ⅰ度:表面が赤い
●Ⅱ度:痛みが強い水疱
●Ⅲ度:広っぽい、こげ黒い
※Ⅲ度はとても危険な状態です!
【まとめ】
子どもがケガをすると焦りますが、まずは大人が落ち着くことが大切です。
そして、子どもを落ち着かせ、しっかり観察をしましょう。
ケガをした状況もちゃんと把握しておくことで、受診の際に役立ちます。
また、応急処置のポイントを知っておくことで、適切に対処できるようになるので、ぜひ覚えておきましょう。
【病児保育室 ひなたぼっこ】
●住所:〒675-0151 兵庫県加古郡播磨町野添1655-1 2階
●アクセス:JR土山駅より徒歩3分
●駐車場:完備
●電話番号:078-939-6022
●WEB予約:こちらからご予約下さい