【薬をなかなか飲んでくれない】
子どもに薬を飲ませるのはとても大変ですよね。薬は、食後に服用となっているものが多いですが、食後にこだわらなくても大丈夫です。
食後だと吐いてしまうこともあるので「食前」「授乳前」「喉が渇いているタイミング」であげてみましょう。
<飲ませ方>
●ごく少量の水で練り、指に付けられるくらいのペースト状にした薬を、頬の内側や上あごにつけて飲み物を与える。
●水に溶かしてスポイトで、頬の内側にゆっくり流し込む。(水薬も同様)
●水に溶かしても無理な場合は、混ぜても苦みが出ない食品に混ぜる。
<どんなものに混ぜたらいいの?>
★バニラアイス、チョコアイス
★ジャム、カスタード
★練乳、チョコ、カスタード
★つぶしたバナナやリンゴ
★味噌汁、コーンスープ
★お薬ゼリー
※薬の種類によっては、苦みが増すものや効果に影響があるものがあるので、薬剤師さんや病院で確認する。
※混ぜる量は最低限にする。
※粉薬は混ぜたまま放置すると、コーティングが剥がれて苦くなるので、混ぜたらすぐに飲ませる。
※ごはんや離乳食、ミルクに混ぜると嫌いになってしまう可能性があるので絶対にやらないでください。
<それでも飲めない場合>
●薬がたくさん出されている場合は優先順位を聞く。
●薬をあげる人を変えてみる。
●医師に伝えて改善策を教えてもらう。
●言葉が通じる年齢なら、薬の必要性を説明し意欲的に飲めるよう工夫する。
<ポイント>
★薬は病気を治す仲間であることを伝える
★笑顔でほめる
★頑張ってくれて嬉しいと伝える
★シールや塗り絵を活用する
【抗生物質が出る時と出ない時について】
抗生物質が出ないと心配になる方もいらっしゃいますが、抗生物質は細菌を倒す薬なのでウイルスには効きません。
子どもがかかる病気は、ほとんどウイルスが原因なものが多いので、抗生物質を必要とする場合が少ないのです。
昔は、細菌かウイルスか原因が分からない事もあり「風邪」でも抗生物質が出されていた時もありました。
しかし、抗生物質が効かない「薬剤耐性菌」が出てきた事により、今は抗生物質を出す基準が明確になっています。
【抗生物質に関するQ&A】
- 高熱の時は飲んだ方が良いですか?
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抗生物質は、熱を下げる薬ではないので、熱の高さによって出されるわけではありません。
- 悪化させないように早めに飲むべきですか?
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抗生物質は、病気の予防や早めに飲んでおくというものではありません。勝手に飲ませると治療が中途半端になったり、必要な検査ができなくなるので注意しましょう。
- 治ったら飲まなくても良いですか?
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熱が下がったと言って勝手に中止してはいけません。抗生物質が出された時は、決められた日数分を最後まで飲み切ってください。最後まで飲み切ることで効果を発揮します。また、抗生物質が効かない「薬剤耐性菌」が出てきているため、正しい使い方をしないと、必要な時に効かなくなる可能性があります。時々、抗生物質の副作用で下痢をする子もいるため、その時は病院や薬剤師に一度ご相談ください。
【薬を飲んでもすぐに治らないのはなぜ?】
症状に合わせて出された薬は飲んでも、すぐに効かないことも多いです。
<抗生物質>
●飲み続けることで体の中にいる細菌を倒します。しっかり飲み切ることで初めて効果が発揮されます。
<咳止め(痰の薬)>
●痰が絡む場合の咳止めは、咳そのものをピタッと止める訳ではないので、効果はなかなか見えにくいこともあります。
<整腸剤>
●腸内細菌よくして症状を改善させる薬です。効果が出るのに時間がかかり、続けて飲まないと効果は見られません。
<下痢止め>
●下痢は体に不要なものを出す症状なので、止めると逆効果になる場合もあります。下痢をピタッと止めるのではなく、脱水にならないように症状を和らげるという感覚で使用してください。
【解熱剤は使うタイミングについて】
熱が高い時に、解熱剤を出されることがありますが「使った方が良いか」「使わない方が良いか」悩まれる方も多いと思います。
どのタイミング使うべきか説明していきたいと思います。
解熱剤にも色々な種類がありますが、子どもに安心して使えるのは「アセトアミノフェン」という成分のものです。(※基本的に生後6か月未満の赤ちゃんには使用しません)
発熱は、ウイルスや細菌と闘うための防御反応なので『発熱=悪』というものではありません。
よって熱が高くても、子どもが元気なら使う必要はありません。
しかし、ぐったりして水分が取れなかったり、しんどくて眠れないなど場合は解熱剤を上手に使用し、効いてきた頃(約1~4時間後)に食事を促したり、眠れるように環境を整えてあげましょう。
<解熱剤の効果的な使い方>
●熱が38.5度以上の時に使う
ただし、水分が取れてぐったりしていなく、よく眠れているなら使う必要はありません。
●熱が上がり切ったときに使う
寒気を感じていたり、手足が冷たい時は熱が上がりきっていなく、手足が熱くなり顔が赤くなってきたら上がりきっています。
●粉薬と座薬は効果は変わらない
子どもに合わせて使いやすい方を使いましょう。吐き気があれば座薬、下痢をしていたら粉薬というように選びましょう。
【解熱剤に関するQ&A】
- 解熱剤を使うと病気の治りが悪くなりますか?
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そんな事はありません。高熱でしっかり水分が取れなかったら脱水になる恐れがありますし、眠れなかったら体を十分に休めることができません。水分をしっかりとって、ゆっくり休息することがなによりの治療になりますので、解熱剤は上手く使用しながら体力を回復させましょう。
- 熱を下げないと脳に影響しますか?
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高熱だからと言って脳に影響が出るわけではありません。
- 熱性痙攣の予防になりますか?また使う事で痙攣を起こしやすくなりますか?
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解熱剤を使うことで、熱性痙攣(ねつせいけいれん)の予防になったり、逆に熱性痙攣を起こしやすいというエビデンスはありません。
【まとめ】
薬が苦手な子に薬を飲ませるのはとても大変です。
「これはどんな薬だろう」「絶対飲み切らなければいけないのか」「症状が無くなれば飲まなくてもいいか」など、疑問があれば医師や看護師、薬剤師に一度ご相談ください。
薬を飲んだからといって、すぐに病気が治るものではありません。特に症状に対して出された薬はすぐには効きません。
1番の治療は、水分や栄養をしっかり取って、十分に休息することです。ゆっくり休めるよう環境を整えて、体力回復できるように努めましょう。
しかし、子どもの急な体調不良や発熱によって、保育園に預ける事ができず仕事も休めないなど、悩まれている方も大勢いらっしゃるかと思います。そのような時は病児保育室「ひなたぼっこ」を是非ご利用ください。
病児保育室「ひなたぼっこ」は、兵庫県加古郡播磨町にありますので『播磨町・稲美町・加古川・明石』など、近隣にお住いの方は是非お気軽にご利用ください。
【病児保育室 ひなたぼっこ】
●住所:〒675-0151 兵庫県加古郡播磨町野添1655-1 2階
●アクセス:JR土山駅より徒歩3分
●駐車場:完備
●電話番号:078-939-6022
●WEB予約:こちらからご予約下さい